牽引自動車免許取得記

2006.05.23

免許取得にあたりいろんなサイトで勉強させて頂いたので,
恩返しの意味も含めて,私なりに気づいた点を報告いたします。

基本操作

トラックと一緒です。
2速発進とか,ほかよろしいと思います。

ただ,後ろの台車がブラブラしています。普通の車の場合は,どんな場合でも必ず
右側ドアの延長線上に右後輪がありますが,台車の車輪がどこにあるかはミラー,
または目視で確認するまでわかりません。

S字の注意事項

トラックと一緒です。
ぎりぎりまで突っ込んで,ハンドルを全部きる。

まだまだ,まだまだ,まだまだ,巻き込み確認!全部きれ! もっと早く!

きったら右前輪をS字の縁石に沿わせる感じで。
右前輪は自分の尻より後ろ,30cmぐらいのところに少し引っ込んで付いていますよ。

S字に頭を突っ込んだ状態で,ドアを開けてタイヤの位置を確認しておきましょう。
ヘッドの前輪を縁石に目一杯寄せることで台車のタイヤの位置に余裕が出ます。

方向転換

牽引の肝ですが,私も自動車学校でひたすらバックを仕込まれました。
方向転換場にバスが来たら外周に出てS字,トラックが来たらS字,
それ以外はひたすら方向転換。

この絵を見てください。

ハンドルをまっすぐにして最後までバックした様子です。

まず,ヘッドが台車をピン1点を支点に押しているため,台車は必ず
右か左に振れて行きます。振れ始めると,最初は少しずつ,ヘッドとの角度が
120度ぐらいになったところから急激に折れて行きます。

折れるとどうですか,台車のタイヤは折れる前と比べてあまり
回っていないように見えませんか? ヘッドは同じ調子で下がっているのに,
台車のタイヤは最後ではほとんど止まってしまっています。

ヘッドと台車の角度が付きすぎると,台車はほとんど動かなくなります。
台車はヘッドのピン1点で押されているため,ヘッドのハンドルをどう切っても
同じことです。


このぐらい?

折ってもこのぐらいまで

折りすぎ

上の折り方だと,ヘッドが方向転換場に入りません。もう少し台車が奥まで入って
ほしいところですね。あと,折りっ放しではいけません。方向転換場に入った状態で,
ヘッドと台車のツラがそろってないとなりません。あと,右に折れるか左に折れるか,
いつ折れ始めるか,運任せではまずいですね。

ということで,方向転換の操作は

  1. 台車に折り癖をつける
  2. ヘッドと台車の角度を保ちながら,台車を押し込む
  3. ヘッドを起こす

の3つの操作に分かれます。

1.台車に折り癖をつける

方向転換場(ポールで囲ってあるところ)を通り過ぎるとき,必ず中を目視確認
してください。確認しないと減点対象です。

バックギアに入れた後,左右後方確認します。左後方目視,後方目視,右は
窓から顔を出して見ましょうか。

窓から顔を出したままバックします。右手は外に出して,外側のドアノブを
つかんで体を支えます。ハンドルのてっぺんを左手で持ち,ころあいをみて左に
半回転。ヘッドのケツを左に振り,ヘッドと台車の連結点を左に振ります。

台車が折れはじめたらハンドルを戻します。手がハンドルのてっぺんに戻って
きているはずです。

方向転換場の縁石に台車のタイヤが寄っているでしょうか。折りが足らないようなら,
ハンドルを左に回してみます。寄っていないように見えても,角度が付き始めると
急激に寄り始めるので慎重に調整してください。

台車のタイヤが縁石に当たらないことが確実に分かるところまで下がってみましょう。

2.ヘッドと台車の角度を保ちながら,台車を押し込む

右に出ようとしています。どちらが出やすいでしょうか。

そりゃあ,左に寄っとるほうよ。

では,入れやすいのは?

出るときの軌跡を逆に考えると,左に入るほうが入りやすいのではないでしょうか。
右に寄せて入れようとすると,少々難儀なことが分かります。
方向転換では,右に寄せて入れた方が出るときは楽ですよね。入れるときは少々難儀な
ことが分かります。

台車のタイヤが方向転換場内に入った時点で,ハンドルを全部左に切って様子をみます。
台車がボキッと折れてきたでしょうか。ヘッドと台車の角度が120度になるまでそのまま下がります。

私は牽引は教習所でとり,ほぼ平行して大型特殊を技能試験(一発試験)でとったのですが,
毎回,自分の大特の試験が終わった後に,牽引の方向転換をボーっと眺めていました。
都合,6回分,人数にして延べ20人弱ぐらい見ていたことになるのですが,
折りが中途半端なため,台車が方向転換場に入っていかないパターンの人がほとんどでした。
(私もそうでした。台車が「流れる」と表現するらしいですが)

見ているとみんな,折りが足りないまま前へ行ったり後ろへ行ったり,4〜5回繰り返したところで
検定中止になり戻ってくる。
そのような場合はハンドルを全部回す勢いで,ぼきっと折ってくださいよ。早く折りすぎた分には,
伸ばすのは簡単です。最終的にはヘッドを起こすために伸ばしますから,何とでもなります。

ヘッドと台車の角度が120度になった時点で,一旦停止して周りの様子を伺います。ヘッドの左前輪と
方向転換場とは反対側(T字の一番上のライン)の縁石との間隔はどうですか? あまりに近い場合は,
縁石から離れるまでハンドルを少なめに戻します。ヘッドの後輪が当たりそう? 折るのが早すぎ
ました。前へ出ましょう。

台車と方向転換場左側ポールとの間隔は? このまま下がっていけそうですか?
あたりそうなら,あきらめて前へ出ましょう。もっと折ったらいけそう? いけそうなら,
もう少し折ります。

ヘッドと台車の角度が120度になった時点で,据え切り上等でハンドルを戻します。
台車の作るRとヘッドのRを揃えるように据え切り状態で右に3回まわして様子をみましょう。
角度をキープしたまま,台車と方向転換場のポールのなす角度が30度ぐらいになるまで
そのまま下がります。

3.ヘッドを起こす

・台車と方向転換場のポールのなす角度が30度ぐらいになりましたか?
・台車の後部が方向転換場後ろのポールと近すぎますか?
・左右と近すぎますか?

ヘッドを起こす時期が来ました。ハンドルを全部右に切りましょう。ヘッドと台車を
まっすくにさえしてしまえば後は少々曲がっていようがポールに当たりそうになって
いようが

  1. サイドを引く
  2. ニュートラル
  3. 完了しました。と言う

ちなみに出るとき。台車と左側ポールとの間隔はどのくらいありますか?
理論的には,S字の入り口でハンドルを切り始める直前の台車と縁石の間隔だけ左側に空いていれば
出られるはずです。ウインカーを出しておいてから,命一杯前に出て,巻き込み確認後,ヘッドの
右前輪が縁石にあたらないように左に全部切る。しばらく右前輪を縁石に沿わせるように前進する。
ほら,意外と小回りが利くでしょ。

左側ポール本当にぎりぎりの場合。あきらめて切り返しをします。
据切り状態でハンドルを全部右に切ってから前に出ます。ヘッド前輪が縁石にあたらない程度に
命一杯前に出たあと,ヘッドのケツを左に振るべくハンドルを左に切ってからバック。
前輪はケツの後ろ30cmですよ。命一杯前に出たときには運転者の足元は縁石の上に乗り上げています。
切り替えしのためにバックするときも必ず後方確認し直してください。どんなに少しだけでも
バックするときは左後ろ,真後ろ,右後ろの目視確認は必須です。

終わりに

牽引の方向転換はハンドルを回す量の体得がコツのようです。少しずつまわしていたのでは
間に合いません。一気にガッと切って,早すぎたのであれば戻す。
結構汗かきます。

その他注意点は大特と同じです。
あと,左バックの場合は右左を全部読み替えてください。
ちなみに私は,卒業検定で,右バック1回,左バック1回,両方やりました。

おかげ様で免許を頂きました。ありがとうございました。


2D自動車シミュレータから画像を頂きました。
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