知らない道をドライブしながら,ふとこんなことを考えることがあります。
「もし自分がこの家に生まれていたら,どんな生活を送っていただろうか」
何を見て,何を食べ,どんな毎日を送るのだろうか。
覗き見趣味が基本にあります。この辺の人たちは休みの日にはどこへいくの
だろう。本屋では何を買うのだろう。スーパーでは何を買うのだろう。どんな服を
着るのだろう。何を食べるのだろう。どんな景色を見るのだろう。
そんな好奇心を簡単に満たせる方法として,私の場合には自動車によるロング
ドライブがありました。車を降りたら,そこはまったく知らない世界です。道一本
分かりません。実際,夜中に不用意に出歩いて車のところまで戻れなくなったことが
あります。普段着のまま雑踏にまぎれると,私の好奇心を満たしてくれるものが周りに
たくさん広がっています。
端的に言えば,こんなものです。
なぜ自動車なのか。電車だと路線が限られています。鉄道網が発達しているのは
日本の中でもごく限られた地域です。バイクだと,特に長距離を走る服装では雑踏に
紛れ込むことが出来ません。自転車では遅すぎる。徒歩などもってのほか。いつまで
経っても普段の生活圏から出る事が出来ません。
初めてロングドライブに出たのは,20歳の夏でした。初心者マークをつけたまま,
北海道を目指しました。私の知らない世界に何があるのか,居ても立っても居られな
かったのです。
クーラーもついていない,ラジオもAMしかない,当時としても既に旧規格となって
いた550cc2気筒の赤いミニカ(昭和63年式)でした。初めての長距離ドライブにも不思議と
不安はありませんでした。本当は不安はありましたが,以下の5点を何度も確認して
無理やりにでも不安を消し去りました。
これに味を占めて現在に至ります。今から思えば若気の至りで随分無茶も
しましたが。ちなみに,上記法則は10年以上経った今でも生きています。車も良くなり,
泊まるときには道の駅を利用するようになりましたが,旅の基本的なスタイルは
変わっていません。
なぜドライブを続けるのか。これは思うに,脳がバランスを取ろうとして
いるのではないかと考えています。車の運転も慣れてくればイメージ・直感・本能を
司る右脳を多用します。右脳を活性化することで,普段の生活で疲労した左脳を
リラックスさせているのではないかと思っています。
自動車 | これがないと始まらない。平成12年式 bB 1500cc こんな車 |
地図 | カーナビがついているので昼間は使いませんが,寝床となる道の駅を探すために 使います。通常,夜10時になるとこの地図を開いて道の駅を探します。この地図に 出会うまでは寝床の確保が大変でした。道の駅 旅案内 全国地図 |
携帯電話 | 必需品です。 |
デジカメ | 今では必需品ですが昔は写真を撮るという習慣がありませんでした。 今思えば勿体無いことをしたなあと思います。 |
DC-ACインバータ | デジカメや携帯電話の充電に使います。 |
水 | 大きなスーパーで,2リットル入りと500cc入りのペットボトルをそれぞれ1本ずつ 買います。500ccがなくなれば2リットルから継ぎ足します。主な使い道は飲料水で, 時々これで手を洗ったりします。ドライブ中は意識して水分を取らないと便秘に なってしまうので必需品です。 |
防寒着 | 真夏でもセーターとジャンパーぐらいは持っていくようにしています。以前夏休みに 乗鞍(駐車場は標高3000m近い)に行き,寒さ(真夏でも夜は7度Cとか)で眠れなかったことが あるので。 |
着替え | タオル2枚 下着(シャツ・パンツ・靴下)3セット なぜか旅の長さにはあまり関係ありません。 |
洗面道具 | 歯磨き,石鹸,電気かみそり,普段使っているアフターシェービングローションなど |
つめきり | 長い旅では必携です。一日中ハンドルを握っているので 意外と早くつめが伸びます。 |
着替えや貴重品は基本的に1つのトランクに収めます。着の身着のまま,
いざというとき車を置いて逃げ出せるようにするためです。